ZMOTの法則:店頭に来る前に、消費者はすでに購入を決めている!?

皆さんは0個目の真実の瞬間という言葉をご存知だろうか?これは消費者の行動モデル、アイドマの法則が商品を知って、興味を持ち、購入する。

という一連の商品購買のモデルだとすると、消費者が購入の意思決定をする「瞬間」についてのモデルだといえる。

近年、ネットの普及を背景に消費者は過去よりも多くの情報を得る事が可能になった。それはいままで広告として使われてきた媒体の衰退を表している。

厳密にいえば、以前は注意をひいて、購買まで意思決定をさせる役割を担っていたものが注意喚起だけのツールになったという事だ。

従来の広告から一番変化した箇所は、広告主が出していた「買ってもらうための情報提供」が「消費者が購買の意思決定をするための情報」を出すほうが効果的になったことだ。

始めて聞いた方にとってはぴんとこないかもしれないが、順を追ってみてみよう。

 

ZMOTの法則ってなに?

ZMOTの法則はグーグルが提唱している新しい消費者の購買プロセスモデルといえる。もちろんグーグルがいきなりこの説を提唱したのではなく、基礎となっているのはP&G社が出したFMOTの法則というものだ。

その為、まずはFMOTの法則から確認していこう。FMOTの法則とは「First Momet of Ture」の略で「最初の真実の瞬間」と訳される。これには「刺激」「棚」「体験」という3ステップがある。

まずは「刺激」このステップは商品を認知する段階。そしてFMOTの法則が大切にしているのが次の「棚」のステップだ。これは実際に棚に置いてある商品を眺めたり、説明を受けたり、商品のサイズや原材料などをみる段階。つまり、商品に初めて触れる時を表していて、初めて商品に触れてからおよそ3~7秒で消費者は商品を購入するか否かをきめている。とP&G社は唱えている。

そして次が「体験」。この段階は「SMOT(Second Moment of Truth)」「第二の真実の瞬間」と呼ばれており、消費者が実際に商品を購入をして、それを使ってみる事でリピーターになるか否か、を決定する。という段階だ。

ではZMOTの法則はこれと何が違うのか?「ZMOT」は「Zero Moment of Truth」の略で「ゼロ個目の真実の瞬間」と訳されている。新しい消費者には「刺激」「棚」「体験」の中に「情報収集」のプロセスが入る。という法則だ。

ZMOTでは新しい消費者の動きを「刺激」「情報収集」「棚」「体験」と定義している。この法則は検索エンジンを運営するグーグルならではの気付きといえるだろう。そしてこのZMOTの法則は高価な、あるいは注目度の高い商品を購入する場合に顕著に現れる。

 

 なぜ、高価な商品を買うときは情報収集をするのか?

出典:www.flickr.com

その理由は簡単だ。高い金額を出して欲しい商品を購入する時に失敗したくないからだ。ファーストフード店で昼食を取ろうと考えて、ハンバーガーを食べるか、牛丼を食べるか。

という選択を間違えたからといって破産する人もいなければ、一週間ほど落ち込む人もいないだろう。

一方で、家や車、パソコン、電子機器などある程度、高価な商品の購入に失敗すると、嫌いな家でもおいそれと新しいものに出来ないし、車だって少なくとも4、5年は乗らないと元が取れない。

パソコンだって3、4年は活用するものだ。やっぱりBという商品の方が同じ値段でもスペックが高かった。と購入してから悔やんでもクーリングオフ期間を過ぎれば同じ値段で売る事もできない。

だからこそ、昨今の消費者は情報収集を決して蔑ろにしないのだ。

 

ZMOTが現れる時

これはインターネットで商品や自分の知らない事を調べる癖のある人は顕著に実践していることだが、まだまだ理解できない。あるいは意味は理解できたが、ではどうやってこの法則を使うの?いつ使うの?と思っている方の為に具体例を示しておこう。

例えば、Aという商品を誰かが認知したとしよう。その方法は広告、TV、ラジオ、SNSなど様々だ。興味をもった消費者はその次にパソコンを取り出すだろう。

まずは商品名+キーワードの検索だ。キーワードに入るのは、評判、メリット、価格、販売店舗、割引、品質、使い方、などの項目だろう。

価格の安い商品の場合はこれで十分かもしれないが、重ねていうが高価な商品を買うときは更に調べてみるのが普通だ。

ネットで情報を得た次はなにをするか?次は友人や家族との会話に出してみるだろう。○○を買おうと思うんだけどどう思う?

すると様々な答えが返ってくる。あの商品は良いよ、あまり良くないよ、私の友人も持っているよ、使った感想はこうだったよ。デザインはあそこがかっこいいよ。などなど

しかし、友人や家族の知識・情報はあやふやなものもあるし、風の噂程度に根拠がないものも多い。用心深い人は更に調べてみるだろう。

商品のレビューや推薦文、評価あるいは売っている店舗に情報収集をするかもしれない。「この商品はどうでしょうか?資料を送って欲しいのですが?」更に製品についての記事を読んだり、ネットユーザーに質問してみるかもしれない。

関心がある商品ほど、この様に情報収集をした上で、購入の意思決定を決めるのが普通だ。

では、このようにして満足のいく情報収集をし、購入の意思決定をしたら、次はどうするだろうか?まっすぐにお店に入り、商品の前まで歩いていき、定員に「これが欲しいんですけど」と言うだろう。

そこで店員から商品の説明を受ける気はないし、パンフレットも必要ない。もしも必要があるとすれば値段交渉ぐらいのものだ。ここに店員の販売努力は一切混じっていないし、店舗の清潔さも、受付の対応の良し悪しも含まれていない。

つまり、この消費者はすでにZMOTが提唱している「ゼロ個目の真実の瞬間」を越えて商品購入の意思決定をしてから店舗に来ているわけだ。

 

まとめ、ZMOTの法則を活用する時は

出典:www.flickr.com

最後にZMOTの法則をマーケティングに活用する時は、自社の商品をキチンと把握する必要がある。という事を確認しておきたい。

ZMOTの法則はおよそ全ての商品購入に当てはまるとは思うが消費者が「情報収集」に当てる時間は価格と関心度合いによって様々だ。

駄菓子を買うのに一々、情報収集するものはいない。あるいはファーストフードでも同じだ。であればその商品について気合をいれて情報提供する必要はない。せいぜい必要な事はセールをしていたり、おいしい!という謳い文句で十分だ。

一方で車は平均して購入の1年以上前から情報収集を重ねるし、家ならば2~3年のスパンで立地や家具あるいは耐用年数について検討を重ねる事だろう。もちろんその家に死ぬまで住むのか、一時的に住んで投資物件にするなども含めて。

よって、企業に必要なのは自社の商品を理解し、消費者にとって本当に必要だと思える情報を必要な分だけ提供する努力だといえる。

【執筆】 山田博保 Yamada Hiroyasu

一級建築士としての経験を活かした不動産投資家向けのコンサルティングやWEBサイトを複数運営。株式会社アーキバンク代表取締役。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。詳細は公式メールマガジンより。Facebookはこちら

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