顧客ニーズにアプローチ!マーケティングミックス!

マーケティングの世界は奥が深い。こういうとあたかも底が存在するかのように読めてしまうが、マーケティングに底はない。正解もない。

いや、正解はある。人の数だけ正解がある。社会も経済も一人の人間が行う経済活動から成り立っているわけだからそれは当然といえば当然だ。

全員は無理だとしてもどれだけ多くの人間から商品・サービスを購入してもらえるのか?これを考え、実行する事がマーケティングというものだ。

今回は自社のマーケティングを考える上で活用できるマーケティングミックスの「4」を考えてみよう。

 

マーケティングミックスの「4」

マーケティングミックスとは、マーケティングを考える場合のフレームワークを表した言葉だ。そのフレームワークには4つの領域が存在する。

製品 – Product

流通 – Place

広告- Promotion

価格 – Price

これをマーケティングの4Pと呼ぶ、しかし、マーケティングには売り手だけでなく、冒頭の通りに買い手が存在する。この4Pを買い手の立場で考えた場合

 製品(Product)= 顧客価値(Customer Value)

流通(Place)= 顧客利便性(Convenience)

広告(Promotion)= 顧客とのコミュニケーション(Communication)

価格(Price)= 顧客にとっての経費(Cost)

以上のようになる。これは俗にマーケティングの4Cと呼ばれている。マーケティングにおいて売り手と買い手は切っても切り離せない問題だ。

さて、ではマーケティングミックスについて後述していきたいが、とても難しい話をするわけではない。製品を生み出す、流通させる、広告を出す、買ってもらう。ようはこの流れの一つ一つの項目をどうしたら一番良いのか、という話だ。なにも難しくはない。

話は単純だが行うことは難しい。では、何が難しいのかを見ていこう。

 

マーケティング戦略のステップ!

出典:unsplash.com

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マーケティングミックス理論は前述の通り、考え方は簡単で商売を始めようと思っている人やすでに始めている人にとって常に頭を悩ませている問題だろう。

よくある間違いが、ではこの商品を売ってください、といわれてすぐに、そしたらマーケティングミックスやその他の分析を行いましょう。となってしまう事だ。

物事には順番がある。まずはこれについて触れよう。マーケティングミックスの考え方はマーケティング戦略のステップでは実行→分析を行う前に考える、ほとんど最終段階の考え方なのだ。

こういわれても何の事だ?となってしまうので順を追って説明しよう。

マーケティング戦略のステップとは市場調査→市場細分化→ターゲティング→ポジショニング→マーケティングミックス(その他、分析)→実行→分析。というステップがある。

マーケティングについての心得がある人にはこう書いただけでなんとなくどういった事を行っていくのか想像に難くないだろう。

市場調査、市場細分化、ターゲティングはニーズについて考える。次にポジショニングとマーケティングミックスでその商品をどういった立場で、どの層にどんな風に販売していくのか。という事を考えて実行し、実行の結果を分析して、戦略のステップを洗い出し、上手くいった場合はなぜ上手くいったのか、上手くいかない場合はこのステップのどこに問題があるのか。を検討していくのがマーケティング活動の一連の流れである。

市場調査、市場細分化、ターゲティングが先に来る理由は当然、ニーズがまず始めにないことには商品は絶対に売れないからだ。しかし、ニーズが大切!そんなの当たり前じゃないか。と誰もが思うものだが、マーケティングについて考えていると知らず知らずのうちに目が自社の利益に向き、自社の商品に向き、自社の自社の自社の。となってしまうから不思議だ。

もちろんその気持ちはよくわかる。けれどマーケティングミックスを成功させている企業はやはりニーズから何事も初めている事がよくわかる。今回は、マーケティングミックスを成功させている企業事例を参考に見ていくことにしよう。

 

マーケティングミックスの好事例紹介!

事例の前に、これから書き上げる事例はもちろん成功事例ばかりだ、なぜなら失敗した事例は世に出る前に忘却されてしまうからだ、それが失敗した事例の成れの果てだ。

世に出ないだけでたくさんの失敗事例は考えられる。そもそもニーズがないものを作っていたり、お年寄りを目当てにしたサービスなのに若者をCMに起用してしまったり、後から見ればなんでそんな事してしまったのか?と思えるような事例もたくさんあるだろうが、これがマーケティングの難しいところだ。

考えるだけではなくて、実行しなくてはいけない。実行するには色々な人が関与するだろう。テレビCMにするなら出演者や撮影者、編集者などもいるだろうし、サイトに上げるのであれば矛盾しない説明も必要だろう。もちろん、それらを一人で行うことはできないから、必然的に他者が混じる事になる。

他者に自分の考えを100%理解してもらう事は難しい、自分の思い通りのものにならない場合もあるし、関係者には関係者の事情も、その人が所属する会社の事情もある。それらを理解する事もマーケティングミックスを成功させる大きなファクターだろう。

事例1:スカルプD

「男を上げるシャンプー」として発売されたスカルプD、若干高めの値段設定でありながらキチンとした研究結果に基づき製造・発売されたそれは結果を出すシャンプーとして多くの中年男性に支持された。

もちろん背景にあるのは、薄毛に悩む男性の存在だ。いまでは、薄毛は治療できるものとしてAGAという単語が広がっているが、外傷もなく、痛みもともなわない薄毛に対してわざわざ病院通いしようと考える男性はやはり少ない。

さらにCMには雨上がり決死隊の宮迫さんを起用していることも大きな要因だろう。CMに起用された当時、宮迫さんは薄毛が進行しはじめていることをテレビでカミングアウトしていたし、その知名度も非常に高い。

優れた製品としてだけでなく、プロモーションも上手かった。その結果、普通のシャンプーの3~4倍という値段でありながら爆発的な売上を出している。もちろん研究開発の末に出した値段設定であろうが、普段化粧をしたり、身だしなみにそんなに多くのお金を浪費しない男性にとって、服装を抜きにすれば髪の毛は唯一のおしゃれポイントともいえるだろう。

それを守るための費用として、高くとも手が出せない事もないぎりぎりの値段設定はマーケティングが非常に上手いといえる。

事例2:ドモホルンリンクル

「初めての方にドモホルンリンクルはお売りできません。」これまでのプロモーションでは考えられないCMの第一声。

自社の製品に相当の自信がある事もそうだが、販売対象者を年齢を重ねた女性とはっきりと決めて、その年齢の方々が商品を買う場合「信頼・信用」が値段よりも大切なものであるとよく理解している。

ドモホルンリンクルは高価な化粧品である。というイメージはあるが、その効果と信頼によって愛用者も多いのだろう。しかも現代の年配者は、比較的裕福である場合がほとんどなので、やはり値段よりも信頼・信用や効果が大切なのだろう。

歴史を紐解けば、対象となる年代の方々は「歳をとってもきれいでいたい」と思う最初の世代かもしれない。もちろん、女性はいつまでも若く美しくいたいと思うものだが、高度経済成長期にピチピチのギャルだった世代は今の女性達よりも「美」にこだわりを持っているといえるかもしれない。

なぜなら、バブル世代に若者であった女性であれば、そんなに金銭に余裕がなくて・・という事はなかったと思う。今のように老いも若きも仕事に明け暮れ、仕事やアルバイトをしなければ生きていけない。ということも少なかっただろう。

その時に男性は仕事に熱中した事だろう。働けば働いただけ給料になるのだから。では女性は?やはり注力したのは「美」であったと思う。それが自分のためか、男性の為かは存じ上げないが、そうした世代が子を生み、育て、親としての本業を離れ、子供が独り立ちすれば、改めて「美」について考える事もあるだろう。

しかし、市場に出回る化粧品は若い人向けばかり、肌のつやもハリも違う。その中で、何とか自分に合ったコスメはないものか・・・そんな時に登場したのがドモホルンリンクルであったのではないか。

マーケティングもさることながら、年配女性に向けた化粧品は、シワや潤い不足といった悩みを解決するものになっている事は想像に難くない。まさに、製品、流通、広告、価格を統括的に考えてある、マーケティングミックスの好事例といえるだろう。

事例3:ヘルシア緑茶、黒ウーロン茶

これもマーケティングミックスの好事例といえる。開発秘話などは存じ上げないがこの商品が初めて開発された時、ガッツポーズをしたマーケター(マーケティングする人の総称)もいるかもしれない。

時は安定期、確かに経済は不景気と呼ばれてはいるが、食べるものに困るわけでもないし、好きなものを腹いっぱいになるまで食べるのに、そんなにたくさんのお金は掛からない世の中だ。

日本の食事は海外からみても明らかにレベルが高いといえる、それはレストラン~B級グルメまで飲食店の量・質からみても間違いない。だからなにを食べてもうまい。当然、次に来る問題は「肥満」だ。

日本人は健康志向が強いと言われるが私はこれに疑問を感じる。どこの国でも健康志向が強い人はいる。言い換えるならば「中流階級以上の人は健康志向が強い」というべきだ。そして一億総中流階層を目指した日本は・・なるほど、格差はそこまで大きない。その結果、日本人の多くが健康志向であっても頷ける。

さて、この「肥満」であるが、特に日本人のように元々身体の小さい人種にとって肥満は命取りだ。欧米人に比べて内臓や関節に掛かる負担が大きく、成人病の発症リスクも高くなる。とはいえ女性のように「美」に対して無頓着な男性にやせてキレイになりましょう。かっこよくなりましょう。といっても中々運動を始めないものだ。

なぜなら男性がかっこよくいたい理由は、異性にモテたいからだ。もちろんそれは女性も同じかもしれないが、男性に比べて女性は誰かの為というよりも自分の為にきれいでいたい。と思う傾向も強い。

では男性のモテたいという気持ちのピークは?これはやはり結婚するまでだろう。結婚してしまってから女性にモテても・・女性を口説けば浮気になるし、離婚になれば慰謝料が掛かる。モテてもいい事はそんなにない。

かっこよくなりましょう。というアピールは通じないが肥満は問題である。とは男性の誰もが思っている。その理由は先の通り、健康でいたいからだ。

しかし差し迫って病気なわけでもないし、食べたいものを我慢してまで痩せてもな・・運動も面倒くさいし・・。という時に出てきたのが先の2つの商品だ。

「脂肪の吸収を抑える」というキャッチコピーもわかりやすい。

小難しい説明は頭に入らないが、脂肪の吸収が抑えられると言われればわかりやすい。焼肉を食べた後にこれを飲めば・・なるほど、焼肉がチャラになるわけか。と容易に考えられる。

しかも、そのあたりのコンビニでも買えるので、手軽に買い求められるし、値段もそこまで高くない。味も悪くない。じゃー、外食後の喉の渇きは脂肪の吸収を抑える飲み物にしよう。この思考回路はよく理解できる。

商品、流通、広告、価格、ともに素晴らしい商品であるし現代の日本の中年男性の心を掴んで離さない商品だ。

 

まとめ

出典:unsplash.com

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さて、以上3点の事例をみてきた。どの商品もマーケティングミックス理論どおりに成功を収めているが、やっぱり成功の秘訣はマーケティングミックスの前、ニーズ把握をキチンとしていて時代に沿った商品であるからだといえるだろう。

付け加えれば、プロモーションの上手さをあげる事ができる。どの商品も対象年齢にぴったりと合う人選や、キャッチフレーズを出している。マーケティングミックスは一つの確立された理論であるがやはり、それは商品のマーケティングを考えるフレームワークでしかない事を頭に入れておきたい。

もっとも大切なのはニーズとそのニーズを感じている年齢、性別の人達にわかりやすく、覚えやすいアプローチをする事だ。もちろんその他の流通、価格も大切な項目であるが、事例としてあげた商品の中には値段による優位以上に商品の品質でマーケティングを成功させているといっていいだろう。

販売している商品の価値をよくよく把握し、適正なプロモーションと価格を付与する事でマーケティングは上手くいく可能性がぐっと高まるということだ。

【執筆】 山田 博保 Yamada Hiroyasu

一級建築士としての経験を活かしたWEBサイトを複数運営。内装工事マッチングサイト「アーキクラウド」創業者。WEBマーケティングとテクノロジーの力で建築業界に新たな価値を提供する活動を行う。を目指す方に向けて情報発信を行う。詳細は公式メールマガジンより。Facebookはこちら

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