人材マネジメントの基本知識!働きあり(バチ)の法則

動物界や我々人類が生きる社会には不思議な法則が存在する。例えば、もう客なんてこなくてもいいと思う日に限って、店に来客があるマーフィーの法則や、仕事を先延ばしにした方がすぐに片付けるよりも倍のエネルギーが必要になるというエメットの法則などだ。

同じように古くから、人材マネジメントのテーマになるとよく引き合いに出されるのが今回紹介する働きあり(バチ)の法則だ。

この法則の中身と基本的人材マネジメントの考え方を確認する。

働きありの法則ってなに?

働きありの法則というのは、昆虫界でコミュニティーを形成するアリや蜂などを観察した結果、2割は「よく働く」6割は「周りに左右される」2割は「働かない」というアリに分かれる法則だ。

これには様々な呼び方があり、怠け者の法則、2:6:2の法則などと呼ばれる事もある。後述するがこの法則は人間のコミュニティー。つまり会社にいる人材も同じではないか。という考え方から人材マネジメントの講義や研修などに登場する頻度が高い。

身に覚えはないだろうか、いつも誰に何も言われずとも、もくもくと仕事をこなす人がいたり、その場の雰囲気に流されて仕事を頑張ったり頑張らなかったりする人、いくら叱られても勤務態度の治らない人が世の中には確かに存在する。

しかし、これがなぜ人材マネジメントの基礎知識になったのだろうか?つまりこういう事だ。人間が管理(マネジメント)できる人数が決まっているからだ。その数およそ10名。

それ以上はどうしてもどこかにひずみが生じたり、管理できない人が出てくる。これは優秀な経営者でも、特に優秀ではない経営者でも同じことだ。自社が大きな会社でも小さな会社でも、これは変わらない。例えば30名の部下に対して1名の管理職だけをおいている企業がもしもあれば、そこはとてもユニークな企業だ。

管理しきれないからこそ、部長の下には課長がいて、課長の下には主任がいるのだ。

ここでは詳しい口述は避けるが、優秀な経営者が注目するのは、ほっておいても仕事をする2割ではなく6割の部下に対する動機付けがうまいのだ。この法則が本当に人間にも当てはまるものであるならば、2割の人間は自由にさせていい事になるのだから、余計な力は極力省くのが優秀な経営者だ。

 

優秀な経営者とはなにか?

出典:www.flickr.com

これは非常に的を射ていて、優秀な経営者ほど部下を放任するのだ。一方であまり優秀でない経営者ほど、その人材に対する見極めが出来ずに働かない2割にも注意を払い、10名全員をマネジメントしようとして「忙しい、忙しい」と繰り返しつぶやくものだ。こういった押さえつけるマネジメントを管理統制型マネジメントと呼ぶ。

管理統制型のマネジメントは一見するとまとまっているようにみえるが、人間の心というものは、そんなに単純には出来ていない。

押さえつけている本人は、表面上、自分はとても優秀だと思い込んでいる。なぜなら10名もの人間を支配下に置き、キチンと働かせていると思い込んでいるからだ。一方の部下は押さえつけられれば押さえつけられるほど、自分を殺し、経営者への不満を募らせる事になる。

そんな経営者が失敗をすれば心の底から「ざまあみろ」と思うし、命令されれば「うるせえな」と思うのが普通なのだ。

では、働きありの法則に従った優秀な経営者の姿とはなんだろうか?

前述の通り2割は放っておく。これは当然といえるだろう、彼らは放っておいても仕事をするし、そういった人材ほど自由にさせても「自発的に動ける人材」なのだから、押さえつける方が効率は悪くなる。

次に、働かない2割はどうするか?実はこの人材達はもっとも放置してはいけない人材なのだ。今回はこの人材の良し悪しに対してコメントは控えるが、この人材に仕事も与えず放置しておくと、しまいには他人の足を引っ張る行動を必ず起こす。

他人の足を引っ張るものは、人件費の無駄だけでなく、一生懸命頑張っている人達のモチベーションを下げて喜ぶようになるのだ。企業にとってこれほど害ある人間はいないだろう。

 

残りの6割はどうマネジメントするのが正しいか?

出典:www.flickr.com

では残り6割の人材についてのマネジメントはどのように行えばよいか?実はこの6割の中にはおよそ3種類のタイプがいるといわれている「働いている人をみて、自分も働きだすもの」「命令されてはじめて働くもの」そして「働かないもの」といタイプだ。

つまりこの中にでも働いてない、あるいは働いているフリをしているもが一定数いる可能性がある。というわけだ。

最初の二つは簡単だ。着いてくるものは、自分が働いている姿を見せて率先垂範で引っ張っていけばよし、次のタイプはキチンと指示を出せば働きだすだろう。最後の働かないものを働かせようとするならば、ここは付かず離れずしっかりと管理する必要があるだろう。

働きありの法則を使った人材マネジメントについて、ここで結論をだしてしまえば。要はこの6割に存在している「働かないもの」に注力すれば、自分は2割の力だけを使って、チーム成績の8割を作り出せるというわけだ。

 

人は役割によって動いている。

しかし、この働きアリの法則というのは本当に興味深いものだ。例えば100匹のアリがまさに20:60:20で仕事をしていたとしよう。

では、よく働くこの20のアリをそのコミュニティーから外すとどうなるか?今度は80匹の中で2:6:2で働くアリ、周りに左右されるアリ、働かないアリに分かれるのだ。

一方、よく働いていた20匹のコミュニティーはどうか?実はこちらも2:6:2に分かれて活動をし始める。

これを人間に当てはめて考察してみよう。例えば、会社には様々な人達がいるだろう。無口な人、パワフルな人、おおざっぱな人、几帳面な人、それぞれが別々に長所と短所を持っている。

例えば、今の登場人物で会議をしてみよう。きっとパワフルな人か大雑把な人のどちらかが話を始めて、几帳面な人か、無口な人が書記をして会議が進んでいくだろう。

あるいは、几帳面な人が会議の目的や骨子を話し、それについてパワフルな人や大雑把な人が意見を言う。といったスタイルの会議になるかもしれない。いずれにしても、積極的に発言をする人はパワフルな人や大雑把な人が中心になると予測できる。

では、同じようなメンバーの会議が5箇所で行われていたとしよう。次の会議では無口な人は無口な人同士、パワフルな人もパワフルな人同士、という風に分けて会議をしたらどうなるか?

確かに会議の盛り上がりに差はあるものの、議長をやるもの、発言をするもの、書記をするもの。という風に自然にわかれて会議をし出すものなのだ。特に日本人はこの役割をキチンと演じる事に重きをおく、これがいわゆる「空気の読める人」の正体だ。

 

まとめ

この働きアリの法則は、アリを再度観察した事によって、実際に働いているアリは半分で残り半分はサボっている。または、実際に働いているアリは1割に満たない。といった論争を近年では見かけるが、実際のアリがどのように活動しているかはどうでも良い。

働くアリが多かろうが少なかろうが、我々の経済活動に然したる影響はないし、実際の会社で1割の人間だけが働いて他はサボっているという事は絶対にない。

あれば、もうその会社は倒産しているだろう。

大切な事は、確かに一定の割合で勝手に仕事をするもの、マネジメントによって仕事するもの、仕事しないものが存在するという事実だ。

働きアリの法則を知り、自分のチームや会社、部門にどんな人がいるかを知る事は、現在、管理職をしているものにとっても、これから管理職を経験するものにとっても非常に有意義である。

【執筆】 山田博保 Yamada Hiroyasu

一級建築士としての経験を活かした不動産投資家向けのコンサルティングやWEBサイトを複数運営。株式会社アーキバンク代表取締役。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。詳細は公式メールマガジンより。Facebookはこちら

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