3C分析を自社に活かすための5つの項目

経営者、マーケティング担当者にとって必要な知識は多岐に渡る。最近の消費者の流行に始まり顧客の動向、自社製品の理解と売り込み方法などだ。

また消費者のニーズも多種多様に広がる昨今、よほどニッチな業界でなければ必ずライバルが存在するといっていいだろう。

人気業界であればライバルは星の数ほどいるだろうし、ニッチな業界であればニーズが少ない。

 

いずれの業界でも、他者を出し抜いて新規顧客を掴み、顧客の囲い込みを行わなければ生き残る事はできない。しかし、やみくもに「なにか」を頑張るだけでは顧客は付かず空回りしてしまう。

今回は、顧客・競合・自社を分析し経営課題の洗出しと戦略的マーケティングを行うために欠かすことが出来ない3C分析について紹介する。

 

3C分析とは?

3CとはCustomer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の頭文字をとった造語で、これを視点として自社を分析する事により周りにあるビジネスチャンスや自社の弱み、強み、そして同業他社からのリスクの洗い出しを行う事が出来る。

後述するがこの分析手法は様々にあり、どれが正解でどれが不正解という事はない。なぜこのように言い切れるかというと、企業はそれぞれに特色がありそれぞれが別の固体だからだ。

別々の固体という事は、自社の強みや弱みを正しく分析せずに情報に流されてしまえば自分達の力を最大限に発揮する事は難しい。同様に顧客も様々だ。

同業他社が多くあるにも関わらず、なぜか自社で購入してくれる顧客がいる。それはなぜなのか?企業の持続可能性を引き出すには顧客が求めるニーズの本質まで掴む必要がある。

 

なぜ3C分析が必要なのか?

冒頭でも述べたが、情報化社会において同業他社に遅れをとる事は死活問題である。それは当期の売上が下がるといった単純な事ではない、自社だけでなく他社も顧客をリピーターにするべく様々な手法をとって囲い込みをしているのだ。

現代のビジネスシーンは作れば売れる。といった景気のいい時代のように新規顧客のみを追いかける事はナンセンスである。もちろん必要がないと絶対に言わないが、自社の製品を購入してくれるお客様の絶対数は限られているのだ。

それはメーカー、サプライヤー(供給者)、小売業、飲食店、美容院などでも同様だ。小売業や飲食店は特に顕著でよほど特色のある商品で無ければ他県からわざわざ買い求めには来ない。

もちろん、ネットが普及した昨今であればWEBページで購入できる仕組みを作る事も一つの手ではある。しかしネット販売は手軽に行える印象に見えて奥が深い。

すでに同業他社がネット販売を開始して2年も経過していれば、かなりの労力と時間を費やさなくては巻き返しは難しい。そうして手軽に、安く、自宅から一歩も出ずに目的の商品が購入できる事を知った顧客は、二度と店頭に現れる事はなく、自分達の会社から購入してくれように交渉するチャンスも与えられない。

けれど情報はどこにも同じようにある。同業他社がネット販売を開始した時に自社は何をしていたのか?良いか悪いかは抜きにして、恐らく他の事に注力をしていたはずだ。

つまり、これが3C分析が必要な理由である。先に挙げた例をみれば同業他社は自宅から出ずに、あるいは遠隔地の商品を購入したい。という消費者のニーズに対応したし、自社の状況を分析し、ネット販売が出来るだけのスキルか、もしくは販売システムの構築を委託するだけの資金を用意した。

さらに自分達の商品はまだネット販売されていない。という周りにある他社のリスクを分析した結果、そこに商機を見出したといえる。

このように3C分析はCustomer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の視点から今、自分達は「何をして」「どこに向かうか」という事を教えてくれる重要な指標になるのだ。

 

3C分析の方法は?

出典:www.flickr.com

3C分析はあくまで市場・競合・自社の3つの視点から外と内の分析を行う事を指している。その為、分析方法は様々な方法が考えられる。

その手法のいくつかを紹介するが、ここに記載する分析手法はあくまで一般的な分析方法だ。

分析手法がわかったからすぐに取り組もうと考えるのではなく、ヒト・モノ・カネや自社の環境、立地・営業力・スキルなどを考慮してどの分析方法が自社に効果的であるかをまずは検討しなくてはならない。

 

 

 

 

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は新規参入者、自社商品に取って代わる代替品、競合、サプライヤーの存在、買い手の交渉力といった5つの項目で分析を加える手法である。

この分析を行う目的は、企業の競争要因(脅威)を知る為だ。

往々にして、こういった分析手法は海外、特にアメリカから入ってくる事が多く。それを日本語翻訳し、経営コンサル会社や出版社が世に広めるものだから出てくる単語がすこぶる理解しにくい。

今回は、日本人に馴染み深いおまんじゅう屋さんを引き合いに出して自社の周りに存在する脅威について説明しよう。

ある町に一店のおまんじゅう屋があったとしよう。このおまんじゅう屋は町で一番うまいまんじゅうを販売していた。その為、数年前までは売上は絶好調。しかし、近年売上が伸び悩みをみせてきた。それはなぜか。

おとぎ話であれば鬼が出たり、貧乏神が住み着いたり、といった事になるが現実はもっと厳しい、自社に勝るとも劣らないうまいまんじゅうを「他のまんじゅう屋(競合)」が作るかもしれない。

そして、いままで小豆(あずき)しか販売していなかった豆屋も自分達でまんじゅうを作って売ってみよう。と考えるかもしれない。そうして「新しく入ってくるまんじゅう屋(新規参入)」も出てくるだろう。

または、いままでそばでみていた餅屋が饅頭に変わる新しい商品として「大福(代替品)」を出してくる可能性もあるだろう。

さらにどの商売であっても自社の利益を最大限にしたい。と誰もが考えるものだ。いままで自社に小麦粉を卸していた「小麦粉屋(サプライー・供給者)」も値段を吊り上げてくるかもしれない。

最後は消費者だ。誰でも美味いまんじゅうと不味いまんじゅうなら美味い方を選ぶ、しかし、もしも同じ美味いまんじゅうがより安く売られていたら「消費者(買い手)」は当然、安いほうで買い求めるだろう。

このようにして、自社の周りにある「脅威」に視点をあてて分析するのがファイブフォース分析だ。

SWOT分析

次にSWOT分析を見ていこう。これは自社の強み、弱み、チャンス、脅威を分析する手法だ。

もう少し説明すると自社(内側)と周りの環境(外側)を分析して「これから自分達は何をしたらよいのか?(マーケティング戦略)」を考える事が大きな目的といえる。

では、先にあげたまんじゅう屋をもう一度引き合いに出して考えてみよう。

まずは内側についてだ。自分達の販売するまんじゅうは「美味い(強み)」しかし「高い(弱み)」

次に外側。隣町にはまんじゅう屋が「一軒もないらしい(チャンス)」この町にはまんじゅう屋がすでに「十軒もある(脅威)」以上がSWOT分析だ。

しかしこれでは「自社が何をしたらよいか?」がまだわからない。次のアクションは情報をクロスさせて考える事だ。

強みとチャンスをクロスさせる。自社のまんじゅうは「美味い(強み)」隣町にはまんじゅう屋が「一軒もないらしい(チャンス)」という事は「隣町に出店すればまんじゅうが売れるはずだ(商機を得られる可能性がある戦略)」

強みと脅威をクロスさせる。自社のまんじゅうは「美味い(強み)」しかしこの町にはまんじゅう屋がすでに「十軒もある(脅威)」つまり「どうにかして他よりも美味くて安いまんじゅうを作る、あるいは差別化を図る売り方を考えないといけない(他者と差別化を図る戦略)」

弱みとチャンスをクロスさせる。自分達の販売するまんじゅうは「高い(弱み)」しかし隣町には、まんじゅう屋が「一軒もないらしい(チャンス)」つまり「いままでの値段、品質でもライバルがいないから売れるはずだ(弱みをチャンスに変える戦略)」

弱みと脅威をクロスさせる。自分達の販売するまんじゅうは「高い(弱み)」しかもこの町にはまんじゅう屋がすでに「十軒もある(脅威)」つまり「値段を下げる施策を考えないと他者にお客を取られる可能性がある(顧客を取られないための戦略)」

つまり、このようにして内外の強み弱みという視点から、今後どのようにマーケティング戦略を取っていくかを検討するのがSWOT分析(SWOTクロス分析)である。

あまりに明瞭な説明で拍子抜けされる方もおられるだろう、またはなにを当然な事を偉そうにいっているのか?と思う方もおられるかもしれない。

しかし、分析の説明と言うのは長々とよくわからない難しい言葉を並べるものではない。単純にやり方がわかればよいのだ。そして、分析を行い、自社のマーケティング戦略を決定する事が目的なのだ。

前述の通り、自社は自社という固有の存在だ。自分達の分析は本質的には自分達で全てを行わなければ意味がなく、ここで美容院なら、小売業なら、メーカーならといった説明を加えても無駄なのだ。

 

最も大切な顧客ニーズ分析

出典:www.flickr.com

経営やマーケティングに関わる分析はたくさんある。しかし、それらが全て有効であるとは言いがたい。では、なぜ行ってきたのか?

それは後述するように自社の持続可能性を高めるために成功要因と失敗要因をキチンと把握しておきたいからだ。

しかし、十数年間前は数百万円のコストをかけなければできなかった分析も、ネット社会が発展した昨今では安価で手軽にできるようになった。

今回は、googleアナリティクスを活用した顧客ニーズ分析をご紹介する。

見出しタイトルにもあるがもっとも時間をかけて分析を行いたいのが顧客ニーズだ。どんなに良い製品であろうがマーケティング戦略であろうがニーズに合っていなければ意味はない。

一方で、いままではそのニーズをアンケートや売れ行き商品などで分析してきたわけだが、近年ではこの方法はすでに意味をなさない。

その理由は実に新規顧客の7割以上が商品の購入を決める際に商品をネット検索するようになったからだ。誰にでも心当たりがあると思う。ネットで話題の商品や新しく目にした電子機器などの購入を考えた時、商品名・評判などといった項目でネット検索した事はないだろうか?

そしてネットの情報から購入の可否を自分で決めた事はないだろうか?

つまり、アンケートを取り、集計を行い、分析を加え、商品の売れ行きを検討する時間よりも自社のホームページを充実させて商品をアピールするほうがよっぽど現代のニーズに合ったマーケティングなのである。

さらに、ホームページを充実させると顧客のニーズを簡単に把握できるようになる。googleアナリティクスというサービスをご存知だろうか。これは簡単に言うとホームページがどれだけ、どんな人達に見られているかを把握できるサービスだ。

当然、ニーズの高い商品のページは良く見られているはずだし、低い商品のページは見らない。これによってアンケートという曖昧な指標ではなく確実な数字としてどの商品にニーズがあるのかがわかるようになるわけだ。

 

企業の持続可能性を高める3C分析

企業は当期だけ売上がよければそれでよし。ということはない。50年100年あるいはそれ以上を目指して「永続的」に生き残っていかなければならないのだ。

その為に必要なのは「なぜ?」今期は売上が上がったのか?「なぜ?」今期は売上が下がったのかを分析する事だ。

それによって成功した事例を繰り返し、失敗した事例は二度と行わないようにしていかなければならない。目に見えてわかる事が少ない企業の成績や顧客ニーズであるが、理由がわかれば売上を伸ばし、機会損失をなくす施策を打つ事ができる。

しかし、分析手法は世の中にたくさん存在している。今回ご紹介した分析方法も、どれも目的が記載されているはずだ。

ファイブフォース分析は自社の周りにある「脅威」を分析するものであるし、SWOT分析は内外に存在する強みと弱みからマーケティング戦略を決定するものである。

そしてそれらの視点として3C分析が存在する。分析をする時はなんの為に行っているのか?という目標設定を分析者全員で決め、そしてそこから外れないようにしなくては成立しない。

また、こういった分析は最終的に企業の持続可能性を高める事を目的としなくてはならない。利益を上げて、会社を存続させる事が企業の本質的な目的だからだ。

 

まとめ

自社で3C分析を行う場合に陥りやすいことは、分析し終わると仕事をした気になる事だ。つまり分析を行った目的が「分析する事」になってしまう。

これでは分析の意味がない。分析結果は企業経営やマーケティングに「活かさなければならない」つまり、分析をして、改良や新しい戦略を構築し、それを行い、チェックするというPDCAサイクルの一環という意識を全員で共有する必要がある。

また分析結果は全て「予測」の範囲を出ない。それは人の気持ちが完全に読み解けないのと同じ理由だ。マーケティングや経営に正解はない。

正解はないが企業の持続可能性を高め、同業他社に遅れを取らず、顧客の動向を逐一掴み、自社の強みを伸ばし、弱みを減らすという3C分析あるいはその他の分析は継続的に行っていかなくてはならない。

【執筆】 山田博保 Yamada Hiroyasu

一級建築士としての経験を活かした不動産投資家向けのコンサルティングやWEBサイトを複数運営。株式会社アーキバンク代表取締役。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。詳細は公式メールマガジンより。Facebookはこちら

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